腕のしびれと痛みは放置厳禁!神経痛・頚椎症からくる症状の見分け方と今すぐできる改善策

腕のしびれや痛みは、単なる疲れと軽視されがちですが、放置すると症状が悪化する危険性をはらんでいます。神経痛、頚椎症、胸郭出口症候群など、その原因は多岐にわたり、ご自身の症状がどこから来ているのか分からず不安を感じている方も少なくないでしょう。この記事では、腕のしびれと痛みの主な原因を分かりやすく解説し、ご自身の症状を見分けるポイント、そして今日から実践できる効果的な改善策をご紹介します。さらに、専門家へ相談すべき目安まで、根本的な解決への道筋を示します。この一読が、快適な日常生活を取り戻すきっかけとなるでしょう。

1. 腕のしびれと痛みを放置する危険性

腕のしびれや痛みは、日常生活でよく経験する症状かもしれません。しかし、これらの症状を単なる疲労や一時的なものと軽視し、放置することは大変危険です。初期の段階では些細な不快感に過ぎなくても、放置することで症状が悪化し、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、回復が困難になる可能性もあります。

1.1 放置が招く症状の悪化と日常生活への影響

腕のしびれや痛みを放置すると、症状が徐々に進行し、その影響は多岐にわたります。初期の段階では、特定の動作時のみに感じる軽いしびれや痛みであっても、時間が経つにつれてその頻度や強度が増していくことがあります。

  • しびれや痛みの増強:はじめは漠然とした不快感でも、次第に鋭い痛みや持続的なしびれへと変化し、我慢できないほどになることがあります。
  • 感覚の麻痺や運動機能の低下:指先の感覚が鈍くなったり、細かい作業がしにくくなったり、物を持つ力が弱まったりするなど、腕や手の機能に影響が出ることがあります。
  • 睡眠の質の低下:夜間にしびれや痛みが増すことで、寝つきが悪くなったり、途中で目が覚めてしまったりと、十分な睡眠が取れなくなることがあります。
  • 仕事や家事への支障:パソコン作業、料理、掃除など、腕や手を使うあらゆる動作が困難になり、仕事の効率が落ちたり、家事が滞ったりする原因となります。

このように、症状の悪化は生活の質を著しく低下させ、精神的なストレスにもつながります。

1.2 回復の遅延と治療の長期化のリスク

腕のしびれや痛みは、早期に対処することで比較的短い期間での改善が期待できる場合が多いです。しかし、症状を放置し、原因となっている問題が進行してしまうと、その分回復までの道のりが長くなり、治療も複雑化する傾向があります。

  • 初期段階での対処の容易さ:症状が軽度なうちに適切な対処を始めることで、根本的な原因へのアプローチがしやすく、比較的早く改善に向かうことが多いです。
  • 進行後の治療の難しさ:症状が慢性化したり、神経への圧迫が長期間続いたりすると、回復に時間がかかり、場合によっては専門的な治療やより集中的なケアが必要になることがあります。
  • 回復までの期間の延長:放置期間が長ければ長いほど、体の組織が変化し、元の状態に戻るのに時間を要するようになります。これにより、日常生活への復帰も遅れることになります。

時間とともに症状が自然に治まるだろうと安易に考えることは、結果として回復を遅らせる原因となりかねません。

1.3 神経への不可逆的な影響の可能性

腕のしびれや痛みの多くは、神経が圧迫されたり、炎症を起こしたりしていることが原因で発生します。神経は非常にデリケートな組織であり、長期間にわたる圧迫や損傷は、不可逆的な変化を引き起こす可能性があります。

放置した場合の神経への影響具体的な症状例
神経の圧迫や損傷の進行しびれの範囲が拡大する、感覚が鈍くなる、筋力が低下する
慢性的な神経障害持続的な痛み、冷感、灼熱感といった不快な感覚が残る
運動機能の喪失指先の器用さが失われる、握力が著しく低下し、日常生活動作が困難になる

一度損傷した神経は、完全に元通りに回復することが難しい場合もあります。神経への深刻な影響を避けるためにも、早期の適切な対処が極めて重要です。

1.4 隠れた重篤な病気のサインを見逃す危険性

腕のしびれや痛みは、単なる筋肉の疲労や姿勢の問題だけでなく、時にはより重篤な病気の初期症状として現れることがあります。自己判断で様子を見ているうちに、本来であれば早期発見・早期対処が必要な病気のサインを見過ごしてしまう危険性があります。

  • 脳疾患:脳梗塞や脳出血など、脳の異常が腕のしびれとして現れることがあります。
  • 内臓疾患:心臓病や糖尿病など、内臓の病気が神経に影響を及ぼし、腕にしびれや痛みを感じさせることがあります。
  • 自己免疫疾患:関節リウマチなどの自己免疫疾患も、神経症状を伴うことがあります。

これらの病気は、放置すると命に関わる事態や、深刻な後遺症につながる可能性も否定できません。腕のしびれや痛みが続く場合は、安易な自己判断は避け、専門家への相談を検討することが大切です。

2. 腕のしびれと痛みの主な原因

腕のしびれや痛みは、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。これらの症状は、単なる疲労からくるものと安易に考えられがちですが、実際には様々な原因が潜んでいる場合があります。特に、神経が圧迫されたり損傷したりすることで引き起こされることが多く、その原因によって症状の現れ方や重症度が異なります。ここでは、腕のしびれや痛みを引き起こす主な原因について詳しく解説いたします。

2.1 頚椎症が引き起こす腕のしびれと痛み

頚椎症は、首の骨である頚椎の加齢による変性や、長時間の不適切な姿勢などによって生じる状態です。頚椎の変性によって骨の一部がとげのように突き出したり、椎間板が変形して飛び出したりすることで、脊髄やそこから枝分かれする神経が圧迫され、腕にしびれや痛みを引き起こします。

2.1.1 頚椎症性神経根症の症状

頚椎症性神経根症は、頚椎の変性によって脊髄から枝分かれする神経根が圧迫されることで発生します。この場合、片側の腕や手にしびれや痛み、感覚の異常が現れることが特徴です。圧迫される神経根の場所によって、症状が現れる部位が異なります。

例えば、首を特定の方角に動かしたり、咳やくしゃみをしたりすることで、腕や手のしびれ、痛みが強くなることがあります。また、腕に力が入らないと感じるような筋力低下を伴う場合もあります。どの神経根が影響を受けているかによって、しびれや痛みの範囲が以下のように異なります。

影響を受ける神経根主な症状の部位
第5頚神経根(C5)肩の付け根、上腕の外側
第6頚神経根(C6)上腕の外側、前腕の親指側、親指と人差し指
第7頚神経根(C7)上腕の後ろ側、前腕の中央、中指
第8頚神経根(C8)前腕の小指側、薬指と小指

2.1.2 頚椎症性脊髄症の症状

頚椎症性脊髄症は、頚椎の変性によって脊髄そのものが圧迫されることで発生します。神経根症とは異なり、両側の腕や手、さらに足にも症状が現れることが特徴です。症状はゆっくりと進行することが多く、初期には気づきにくい場合もあります。

主な症状としては、両手のしびれや、箸が使いにくい、ボタンがかけにくいといった細かい指の動き(巧緻運動)が困難になることがあります。また、足にも症状が及ぶと、歩行時にふらつきやすくなったり、階段の昇り降りが不安定になったりすることがあります。さらに進行すると、排尿や排便のコントロールが難しくなるなどの症状が現れることもあり、放置すると重篤な状態になる可能性があるため注意が必要です。

2.2 胸郭出口症候群による腕のしびれと痛み

胸郭出口症候群は、首の付け根から胸にかけての狭い空間(胸郭出口)で、腕や手に向かう神経や血管が圧迫されることで起こります。特に、なで肩の人や、重いものを持ち運ぶことが多い人、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続ける人に多く見られる傾向があります。

この症候群では、腕や手のしびれ、痛み、だるさ、そして冷感などが主な症状です。腕を高く上げたり、特定の姿勢をとったりすることで症状が悪化しやすいのが特徴です。圧迫される部位によって、しびれの範囲や痛みの種類が異なることがあります。

2.3 肘部管症候群や手根管症候群

腕のしびれや痛みは、末梢神経が特定の場所で圧迫されることによっても引き起こされます。代表的なものとして、肘部管症候群と手根管症候群が挙げられます。

肘部管症候群は、肘の内側にある「肘部管」と呼ばれるトンネル状の部位で、尺骨神経が圧迫されることで発生します。この神経は小指と薬指の感覚を司っているため、小指と薬指にしびれや痛み、感覚の麻痺が現れることが特徴です。進行すると、手の筋肉がやせ細り、握力が低下することもあります。

一方、手根管症候群は、手首の「手根管」と呼ばれるトンネル状の部位で、正中神経が圧迫されることで発生します。この神経は親指、人差し指、中指、そして薬指の半分までの感覚を司っています。そのため、親指から薬指の半分にかけてしびれや痛み、ピリピリとした感覚異常が現れることが特徴です。特に、夜間や起床時に症状が悪化しやすく、手を振ると症状が和らぐ「ファレン徴候」と呼ばれる現象が見られることもあります。

2.4 その他の原因となる病気

腕のしびれや痛みは、上記で述べたもの以外にも様々な病気が原因となることがあります。例えば、糖尿病性神経障害は、血糖値が高い状態が続くことで末梢神経が損傷し、手足のしびれや痛みを引き起こすことがあります。また、末梢神経炎と呼ばれる状態では、ビタミン不足や自己免疫疾患などが原因で全身の末梢神経に炎症が起こり、腕のしびれや痛みを招くことがあります。

さらに、稀ではありますが、脳梗塞などの脳血管障害が原因で、片側の腕や手、顔面に急なしびれや麻痺が現れることもあります。これは緊急性の高い状態であるため、注意が必要です。その他、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)のように、肩関節の炎症が原因で腕に放散痛が広がる場合や、ごく稀に腫瘍が神経を圧迫してしびれや痛みを引き起こす可能性も考えられます。

これらの病気は、専門的な検査と診断が必要となります。症状が長引く場合や悪化する場合には、安易に自己判断せず、適切な対応をとることが大切です。

3. 症状から見分ける腕のしびれと痛み

腕のしびれや痛みは、その現れ方によって原因を推測する手がかりとなります。どこが、いつ、どのようにしびれたり痛んだりするのか、ご自身の症状をよく観察することが大切です。ここでは、症状の特徴から考えられる原因を見分けるポイントをご紹介します。

3.1 どの指がしびれるかで見分ける

腕から手にかけての神経は、それぞれ担当する領域が決まっています。そのため、どの指にしびれや痛みを感じるかによって、どの神経が圧迫されているか、あるいはどの部位に問題があるかをある程度推測できます。

特に重要なのは、手のひら側(掌側)の指のしびれです。以下の表で、しびれる指と関連する神経、そして考えられる主な原因をまとめました。

しびれる指関連する神経考えられる主な原因
親指、人差し指、中指、薬指の親指側半分正中神経手根管症候群
小指、薬指の小指側半分尺骨神経肘部管症候群胸郭出口症候群
手の甲の親指側、人差し指、中指の付け根橈骨神経橈骨神経麻痺(比較的稀)
特定の指だけでなく、腕全体や広範囲複数の神経根、神経叢頚椎症性神経根症胸郭出口症候群頚椎症性脊髄症

ただし、これらのパターンはあくまで目安です。しびれの範囲が不明瞭な場合や、複数の神経が同時に影響を受けている場合もありますので、あくまで参考にしてください。

3.2 首や肩の動きで変化があるか

腕のしびれや痛みが、首や肩の特定の動きによって変化するかどうかも重要な見分け方の一つです。

  • 首を後ろに反らす、横に傾ける、回すなどの動作でしびれや痛みが増す場合
    これは頚椎症性神経根症など、首の骨(頚椎)から出る神経が圧迫されている可能性を示唆します。首の動きによって神経の通り道が狭くなり、症状が悪化することが考えられます。
  • 腕を上げる動作や、特定の姿勢を長時間続けることで症状が悪化する場合
    これは胸郭出口症候群の可能性があります。首と胸の間にある胸郭出口と呼ばれる部分で、神経や血管が圧迫されることで腕や手のしびれ、痛み、だるさなどが現れます。特に、腕を上げたままの作業や、重いものを持つ際に症状が出やすい傾向があります。

ご自身の症状がどのような動きで変化するかを意識して観察し、記録しておくと良いでしょう。

3.3 夜間や特定の動作で悪化するか

しびれや痛みが現れる時間帯や、特定の状況で悪化するかどうかも、原因を特定するための重要な情報です。

  • 夜間や睡眠中に特にしびれが強くなる場合
    これは手根管症候群に多く見られる特徴です。寝ている間に手首が曲がった状態になりやすく、手根管内の圧力が上昇することで正中神経が圧迫されやすくなります。朝方に手がこわばる、しびれで目が覚めるなどの症状も特徴的です。また、血行不良が原因で夜間に症状が悪化することもあります。
  • パソコン作業やスマートフォンの操作など、特定の動作や姿勢を長時間続けることで症状が現れたり、悪化したりする場合
    これは、その動作によって神経が圧迫されたり、筋肉に負担がかかったりしている可能性を示します。例えば、肘を曲げたままの作業で肘部管症候群の症状が悪化したり、前かがみの姿勢で首や肩に負担がかかり、頚椎症の症状が出やすくなったりすることがあります。
  • 安静にしていると症状が和らぐが、活動すると再び現れる場合
    これは、神経や血管の圧迫が活動によって増す場合に考えられます。

いつ、どのような状況で症状が強く出るのか、ご自身の生活習慣と照らし合わせて考えてみてください。これらの情報は、専門家が原因を突き止める上で非常に役立ちます。

4. 今すぐできる腕のしびれと痛みの改善策

腕のしびれや痛みは、日常生活の習慣を見直すことで軽減できる場合があります。ご自身でできる対策を積極的に取り入れ、症状の改善を目指しましょう

4.1 正しい姿勢で首や肩への負担を減らす

腕のしびれや痛みの多くは、首や肩への負担が原因で引き起こされます。日頃から正しい姿勢を意識し、首や肩への負担を軽減することが大切です

4.1.1 デスクワーク時の姿勢

長時間のデスクワークは、首や肩に大きな負担をかけます。以下の点を意識して姿勢を整えましょう。

悪い姿勢の例良い姿勢のポイント
猫背になり、頭が前に突き出ている背筋を伸ばし、顎を軽く引く
モニターが低すぎたり高すぎたりするモニターの高さは目線と同じかやや下にする
肘が浮いている、手首が反っている肘は90度、手首はまっすぐにする
足が床についていない、組んでいる足裏全体を床につけ、膝を90度に保つ

4.1.2 スマートフォン使用時の姿勢

スマートフォンの使いすぎも、首や肩の凝り、そして腕のしびれや痛みの原因となることがあります。画面を覗き込むように首を下げず、目線の高さまで持ち上げて操作するように心がけましょう。また、片方の腕ばかり使うのではなく、左右バランスよく使うことも意識してください。

4.1.3 寝るときの姿勢と枕の選び方

睡眠中の姿勢も、首や肩への負担に大きく影響します。仰向けで寝る場合は、首のカーブを自然に保てる高さの枕を選びましょう。横向きで寝る場合は、肩の高さに合わせて枕の高さも調整し、首がまっすぐになるようにしてください。高すぎたり低すぎたりする枕は、首に負担をかけ、症状を悪化させる可能性があります。

4.2 腕のしびれや痛みに効くストレッチ

固まった首や肩、腕の筋肉をほぐすストレッチは、血行を促進し、神経への圧迫を和らげる効果が期待できます。痛みを感じない範囲で、ゆっくりと行いましょう

4.2.1 首から肩にかけてのストレッチ

1. まず、背筋を伸ばして座るか立ちます
2. ゆっくりと首を右に倒し、左の首筋が伸びるのを感じます。左手で頭を軽く押さえ、さらにストレッチを深めても良いでしょう。
3. そのまま20秒ほどキープし、反対側も同様に行います。
4. 次に、ゆっくりと首を前に倒し、顎を引きます。首の後ろが伸びるのを感じましょう。
5. 各方向で数回繰り返します。

4.2.2 肩甲骨まわりのストレッチ

1. 両腕を肩の高さまで上げ、肘を90度に曲げます
2. 肘を後ろに引きながら、肩甲骨を中央に寄せるように意識します。
3. 胸を開くようにして、数秒間キープします。
4. ゆっくりと元の位置に戻し、これを10回程度繰り返します。
5. また、両腕を大きく回す運動も肩甲骨周りの柔軟性を高めるのに有効です。

4.2.3 腕から手首のストレッチ

1. 片腕を前にまっすぐ伸ばし、手のひらを上に向けます
2. もう片方の手で、伸ばした手の指先を掴み、手首をゆっくりと下に反らせます。前腕の筋肉が伸びるのを感じましょう。
3. 20秒ほどキープし、反対側も同様に行います。
4. 次に、手のひらを下に向けて、指先を掴み、手首をゆっくりと上に反らせます。
5. 各方向で数回繰り返します。

4.3 温めて血行を促進する

体を温めることは、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進する効果があります。血行が改善されることで、神経への栄養供給がスムーズになり、しびれや痛みの軽減につながる場合があります。

4.3.1 入浴で全身を温める

シャワーだけでなく、湯船にゆっくり浸かることで、全身の血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎます。38度から40度程度のぬるめのお湯に、15分から20分程度浸かるのがおすすめです。

4.3.2 蒸しタオルや使い捨てカイロの活用

首や肩、腕など、特にしびれや痛みを感じる部分に蒸しタオルや使い捨てカイロを当てるのも効果的です。蒸しタオルは、水で濡らして軽く絞り、電子レンジで温めることで簡単に作れます。ただし、低温やけどには注意し、熱すぎないか確認してから使用しましょう。

4.4 日常生活での注意点

日常生活の中で無意識に行っている習慣が、腕のしびれや痛みを悪化させていることがあります。少しの工夫で、体への負担を減らすことができます

4.4.1 重いものを持つときの工夫

重いものを持つ際は、片方の腕だけでなく、両腕で均等に重さを分散させるようにしましょう。また、体から離して持つと負担が大きくなるため、できるだけ体に近づけて持つようにしてください。

4.4.2 定期的な休憩と体の動かし方

長時間同じ姿勢を続けることは、筋肉の緊張を招きます。1時間に一度は席を立ち、軽く体を動かすなど、定期的に休憩を取りましょう。首を回したり、肩を上げ下げしたりするだけでも効果的です。

4.4.3 睡眠環境の整備

質の良い睡眠は、体の回復に欠かせません。寝返りを打ちやすい寝具を選ぶことや、適切な室温・湿度を保つことで、快適な睡眠環境を整えましょう。

4.4.4 ストレス管理と適度な運動

ストレスは、筋肉の緊張を引き起こし、痛みを増強させることがあります。趣味の時間を持つ、リラックスできる音楽を聴くなど、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。また、ウォーキングなどの適度な運動は、全身の血行を促進し、心身のリフレッシュにもつながります。

5. 腕のしびれと痛みで医療機関を受診する目安

腕のしびれや痛みは、日常生活に支障をきたすだけでなく、放置すると症状が悪化したり、回復に時間がかかったりする場合があります。特に以下のような症状が現れた場合は、できるだけ早く専門家に相談し、適切な診断と処置を受けることが重要です

5.1 こんな症状は要注意すぐに医療機関へ

腕のしびれや痛みには、単なる疲労や一時的なものから、重篤な病気が隠れているケースまで様々です。特に以下に挙げる症状が見られる場合は、迷わず専門家に相談してください

症状のタイプ注意すべき点
急激な発症と強い痛み突然、腕や手に激しいしびれや痛みが現れた場合、神経が強く圧迫されている可能性があります。
進行性の症状しびれや痛みが徐々に悪化している、範囲が広がっている場合は、病状が進行している恐れがあります。
筋力低下や麻痺腕に力が入らない、指先で細かい作業がしにくい、物が持ちにくいなど、運動機能に明らかな障害がある場合は、神経の損傷が疑われます。
感覚の鈍化や消失触られている感覚が鈍い、熱い冷たいが分かりにくいなど、感覚が麻痺している場合は、神経の障害が進行している可能性があります。
両側の腕や手の症状片側だけでなく、両方の腕や手にしびれや痛みがある場合、首の中枢神経に問題がある可能性も考えられます。
排尿・排便の異常しびれや痛みとともに、排尿や排便が困難になったり、失禁したりする場合は、脊髄の重篤な圧迫が疑われるため、緊急性が高いです。
発熱や倦怠感を伴うしびれや痛みに加えて、発熱、だるさ、体重減少など全身症状がある場合は、感染症や他の全身性疾患の可能性も考慮する必要があります。
夜間や安静時にも症状がある体勢を変えても症状が改善しない、特に夜間や安静にしている時に痛みやしびれが強い場合は、炎症や神経圧迫が強く関与している可能性があります。

これらの症状は、神経の圧迫や損傷が進行しているサインである可能性が高く、早期の対応が重要になります。自己判断せずに、専門家の診断を仰ぐようにしてください。

5.2 腕のしびれや痛みで相談すべき専門家

腕のしびれや痛みの原因は多岐にわたるため、どの専門家に相談すべきか迷うこともあるかもしれません。一般的には、骨や関節、神経の異常を専門とする医療機関が適切です。体の構造や神経の働きに詳しい専門家であれば、症状の原因を正確に特定し、適切なアドバイスや施術方針を提示してくれます。

ご自身の症状がどのような状態なのか、不安を感じる場合は、まずは初期相談を受け付けている身近な医療機関に足を運び、症状を詳しく説明することから始めてください。そこで必要に応じて、より専門的な検査や処置が可能な機関への紹介を受けることもできます。

6. 病院での診断と治療法

6.1 診断方法

腕のしびれや痛みの原因を特定するためには、専門機関での正確な診断が不可欠です。適切な治療へ進むためには、まず原因を明確にすることが重要になります。

診断ステップ内容目的
問診・身体診察いつから、どのようなしびれや痛みがあるのか、どこに広がるのか、どのような時に症状が悪化するのかなどを詳しく伺います。また、首の動き、腕の筋力、感覚、反射などを確認する徒手検査も行います。症状の性質や発症部位、疑われる原因を絞り込むための基本的な情報収集です。
画像検査レントゲン検査:骨の変形や骨棘(こつきょく)、椎間板の狭小化など、骨格の異常を確認します。 MRI検査:神経や脊髄の圧迫状態、椎間板ヘルニア、靭帯(じんたい)の状態など、軟部組織の異常を詳細に評価します。 CT検査:骨の詳細な構造や、脊柱管(せきちゅうかん)の狭窄(きょうさく)の程度などをより詳しく確認します。神経が圧迫されている部位や原因となる構造的な問題を特定します。
神経学的検査筋電図検査:筋肉の電気的活動を記録し、神経の障害部位やその程度を評価します。 神経伝導速度検査:神経が電気信号を伝える速度を測定し、神経の機能障害を確認します。神経自体の機能的な問題や損傷の有無、その範囲を客観的に評価します。

6.2 保存療法と手術療法

診断結果に基づいて、腕のしびれと痛みの状態や原因に合わせた治療法が提案されます。一般的には、まず保存療法から開始し、症状の改善が見られない場合や重度の症状がある場合に手術療法が検討されます。

治療法内容目的
保存療法薬物療法:痛みを和らげる鎮痛剤、神経の炎症を抑える薬、神経の働きを助けるビタミン剤、筋肉の緊張を和らげる筋弛緩剤などが用いられます。 理学療法:温熱療法で血行を促進したり、牽引(けんいん)療法で首や肩への負担を軽減したり、専門家指導のもとで運動療法や装具療法を行うことがあります。 神経ブロック療法:痛みの原因となっている神経の周囲に局所麻酔薬やステロイドを注射し、痛みを一時的に和らげたり、炎症を抑えたりします。症状の緩和、炎症の抑制、機能回復を目指し、自然治癒力を高めます。
手術療法保存療法で改善が見られない場合や、しびれや痛みが悪化する、筋力低下や麻痺が進行するなど、重篤な症状がある場合に検討されます。神経を圧迫している原因を取り除き、症状の根本的な改善を目指します。 前方除圧固定術:首の前方からアプローチし、神経を圧迫している椎間板や骨を取り除き、脊椎を安定させる手術です。 後方除圧術:首の後方からアプローチし、神経を圧迫している骨や靭帯の一部を切除して、神経の通り道を広げる手術です。神経圧迫の解除と、症状の根本的な改善、将来的な悪化の予防を目的とします。

ご自身の症状や生活状況に合わせて、専門機関の担当者とよく相談し、最適な治療法を選択することが大切です。

7. まとめ

腕のしびれや痛みは、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、放置することで症状が悪化する可能性もあります。頚椎症や胸郭出口症候群、肘部管症候群、手根管症候群など、その原因は多岐にわたりますが、症状の出方からある程度の見分けがつくこともあります。

正しい姿勢の維持やストレッチ、血行促進といったご自身でできる改善策も大切ですが、症状が続く場合は、早めに専門医を受診し、適切な診断と治療を受けることが何よりも重要です。自己判断せず、ぜひ専門家にご相談ください。何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

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